EP151【媽祖 成神前的故事 編】

今日(きょう)は「媽祖(まそ)」こと「天上聖母(てんじょうせいぼ)」のストーリーを紹介(しょうかい)していきたいと思(おも)います。

媽祖(まそ)は航海(こうかい)、漁業(ぎょぎょう)の守護神(しゅごしん)として、世界(せかい)中(じゅう)でかなりの人(ひと)たちに信仰(しんこう)されています。そして、毎年(まいとし)世界(せかい)の宗教(しゅうきょう)三大(さんだい)祭(まつ)りとも呼(よ)ばれる盛大(せいだい)な祭(まつ)りが開(ひら)かれています。

では、ストーリーのほうに入(はい)ります。

昔(むかし)、福建省(ふっけんしょう)の林(りん)家(け)には五(ご)人(にん)の娘(むすめ)と一人(ひとり)の息子(むすこ)がいました。林(りん)家(け)はもう一人(ひとり)息子(むすこ)がほしいと思(おも)い、常(つね)に観音(かんのん)菩薩(ぼさつ)に祈(いの)りを捧(ささ)げました。

ある晩(ばん)、林(りん)家(け)の奥(おく)さんは夢(ゆめ)を見(み)ました。

そして、こう言(い)いました。

「夢(ゆめ)をみたんです。その夢(ゆめ)の中(なか)で、観音(かんのん)菩薩(ぼさつ)が蓮(はす)の花(はな)をくださったんです。」

それから、なんと、その数日後(すうじつご)に妊娠(にんしん)したのです。

しかし、残念(ざんねん)ながら7人(にん)目(め)の子供(こども)は女(おんな)の子(こ)でした。

少(すこ)し失望(しつぼう)しましたが、女(おんな)の子(こ)の赤(あか)ん坊(ぼう)にも愛情(あいじょう)をもって接(せつ)しました。

この7人(にん)目(め)の女(おんな)の子(こ)はずっと静(しず)かなまま、めったに泣(な)かないため、「林默(りんもく)」と名(な)づけました。

林默(りんもく)は生(う)まれながらに頭(あたま)がよく、優(やさ)しい性格(せいかく)をしています。

8歳(さい)のときに私塾(しじゅく)に通(かよ)い、13歳(さい)のときに年(とし)老(おい)いた道士(どうし)、名(な)は「玄通(げんつう)」と言(い)い、林(りん)家(け)に托鉢(たくはつ)をしに来(き)ました。

林黙(りんもく)の雰囲気(ふんいき)がほかの人(ひと)とは違(ちが)うため、弟子(でし)にして、修行(しゅぎょう)させようとしましたが、林(りん)家(け)の夫婦(ふうふ)が認(みと)めなかったため、年(とし)老(おい)いた道士(どうし)は神(しん)書(しょ)を林黙(りんもく)に渡(わた)して帰(かえ)りました。

その神(しん)書(しょ)は医術(いじゅつ)の本(ほん)で、林黙(りんもく)はそれを勉強(べんきょう)して人(ひと)々(びと)を助(たす)けたため、みんな林黙(りんもく)に感謝(かんしゃ)していました。

そして、数年後(すうねんご)が経(た)ち、林黙(りんもく)がお寺(てら)に行(い)ったときに、となりの井戸(いど)から凄(すさ)まじく強(つよ)い水柱(みずばしら)が出(で)てきたため、みんなそれを見(み)て逃(に)げました。

林黙(りんもく)だけは違(ちが)って、その場(ば)でじっと待(ま)っていました。

しばらくしたら、水(みず)の柱(はしら)の中(なか)から神様(かみさま)が出(で)てきて、林黙(りんもく)に神器(じんぎ)を渡(わた)しました。そして、神様(かみさま)はこう言(い)いました。

「私(わたし)は天帝(てんてい)の神将(しんしょう)だ。この災難(さいなん)を打(う)ち消(け)せる神器(じんぎ)をおまえに渡(わた)そう。うまく使(つか)え。」と言(い)い、すぐに消(き)えました。

そして、林黙(りんもく)は神器(じんぎ)を勉強(べんきょう)し、色(いろ)々(いろ)な法(ほう)術(じゅつ)が使(つか)えるようになり、たくさんの人(ひと)々(びと)を助(すけ)けました。

また、ある日(ひ)、林黙(りんもく)の父(ちち)と兄(あに)が二人(ふたり)で船(ふね)に乗(の)って、海(うみ)に出(で)かけました。

帰(かえ)りは波(なみ)が大(おお)きく、大変(たいへん)な状態(じょうたい)に陥(おちい)りました。

林黙(りんもく)は家(いえ)でそれを感(かん)じたので、ずっと観音(かんのん)菩薩(ぼさつ)に祈(いのお)りを捧(ささ)げました。

そして、なんと林黙(りんもく)の魂(たましい)が飛(と)び出(で)て、赤(あか)い光(ひかり)も出現(しゅつげん)し、海(うみ)にまで伸(の)びていきました。

この時(とき)、林黙(りんもく)の父(ちち)と兄(あに)の二人(ふたり)が海(うみ)に落(おち)ちて、助(たす)けを待(ま)っていたところ、林黙(りんもく)の魂(たましい)が赤(あか)い光(ひかり)に乗(の)ってきました。

林黙(りんもく)の両手(りょうて)は父(ちち)をつかみ、口(くち)で兄(あに)の服(ふく)をつかんで、岸(きし)に向(むか)かいました。

しかし、家(いえ)にいる母(はは)が林黙(りんもく)のことが心配(しんぱい)で、口(くち)を開(あ)けて水(みず)を飲(の)ませました。

水(みず)を飲(の)んだことが原因(げんいん)で、兄(あに)は再(ふたた)び海(うみ)に落(おち)ちました。父(ちち)を岸(きし)までなんとか運(はこ)びましたが、兄(あに)の姿(すがた)はもうどこにもありませんでした。

この災難(さいなん)を経(へ)て、林黙(りんもく)は大海(たいかい)の無情(むじょう)さと危険(きけん)さを痛(いた)いほど嚙(か)み締(し)めました。

また、村(むら)の人(ひと)がなにか困(こま)りごとがあれば、すぐ林黙(りんもく)に助(たす)けをもとめました。

なにせ林黙(りんもく)は天候(てんこう)の変化(へんか)が予測(よそく)でき、海(うみ)の遭難者(そうなんしゃ)も救助(きゅうじょ)できるため、たくさんの人(ひと)々(びと)に愛(あい)されていました。

林黙(りんもく)は同(おな)じ場所(ばしょ)にいては、助(たす)けられる人が限(かぎ)られてくると思(おも)い、28歳(さい)のときに、両親(りょうしん)に別(わか)れを告(つ)げて、神様(かみさま)になりました。

福建省(ふっけんしょう)の人(ひと)々(びと)が林黙(りんもく)が神様(かみさま)になったと知(し)ったあと、林黙(りんもく)のお寺(てら)を作(つく)りました。

そして、林黙(りんもく)ではなく、「媽祖(まそ)」と呼(よ)ばれるようになりました。

「媽(ま)」は福建省(ふっけんしょう)南部(なんぶ)の女性(じょせい)に対(たい)する敬称(けいしょう)で、「祖(そ)」は先人(せんじん)に対(たい)する敬称(けいしょう)です。

以上、「媽祖(まそ)」のストーリーでした。

みなさんいかがでしたか。

リピートタイム

1・遭難者(そうなんしゃ):遇難者

2・岸(きし):岸邊

3・祈(いの)りを捧(ささ)げる:祈禱

4・神器(じんぎ):神器

5・托鉢(たくはつ):化緣

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